「劇団に入りたい」と大学卒業時からずっと思っていました。
いつも同じ仲間たちと、自分たちの「面白い」を追求して作品を創り続けることをやりたかったのです。
まずは自分のやりたい演劇の形を探すことから始めました。
お金と時間の許す限り芝居を観て、ご縁があった劇団さんに出演させていただき、自分の興味のあることを追求していくうちにあっという間に時は経ち、今年で30歳を迎えるところまで来ました。
毎年変わらず年を重ねるのに、この「30」という数字はどうも手強く感じます。
「劇団に入りたい」ことを叶えもせず、私は一体何をどうしたいのだろう……。
劇団に入りたかった理由はもう一つあって、自分の将来設計を考えたとき、いつか出産したあとに帰れるホームが欲しかったんです。育児をしながら仕事をするために乗り越える壁の多さは、昨今の世情からもよく分かります。
そんな時、帰れるホームと信頼できる仲間がいたら少しは心強いなあ、なんて考えておりました。
でも、入っていない!!!
ならば自分で一からやってみようと思い至ったのです。
この30という節目を迎える前に、芝居を始めて23年間で培ってきたものをベースに、自分の創りたいものを一度形にしてみようと思いました。とはいえ演劇は一人では作れませんから、共に走ってくれる仲間が必要です。
大変ありがたいことに、一緒にやりましょうと言ってくださった方々のおかげで、第一回公演に漕ぎ着けられそうです。
第一回公演「記憶で逢えたら」の演出を担当してくださる青沼リョウスケさんは、
劇団「劇想からまわりえっちゃん」を主宰し、作・演出・出演をされています。
初プロデュース作品を創るにあたり、誰に演出を依頼しようかと考えていた時期にたまたま青沼作品を観劇し、登場人物の人間臭さと愛おしさ、作品の躍動感に一目惚れしてお願いしました。
脚本を担当してくださる坪内真さんは、
「この人の書いた本が読みたい」その願望だけでお願いしました。
彼についてはあまり深く詮索しないでください。
ただ、必ず面白い本であることは間違いありません。
今回出演する9名のキャストのうち8名は、私が過去に共演した方たちです。
個性が強く人間味があり、大きなパワーを備えている人たちです。
一人ずつ書くと長くなるのでまた別の記事で。
共演したことのない宮地大介さんは、私が制作で関わっていた団体の作品に出演されており、目の当たりにした演技の生命力に脱帽し、いつかご一緒したいと思っていた方です。
願った通りの魅力的なキャスト、スタッフが集まってくださいました。もう、感謝しかありません。
自分がどこの劇団にも所属せず放浪する中で与えていただいた愛や想いを、これからは自分が与える側になれたらいいなと思います。そして、悦楽派が軌道に乗ったら、ゆくゆくは育児をしながら出演するベースを誰かのために作れるかもしれないとも考えています。
芝居の魔力に囚われてここまで来たからには、私はこの道で人生を歩むことにこだわっていきたいのです。
そして、人生の大切な時間を共有して作品を観てくださる方々に、悦び、楽しみ、より生きていることを実感して頂くことを一番大切にしたいと考えています。
今はただひたすらに、お客様に楽しんでもらえることに集中して準備をしております。
第一回公演でずっこけたら、これで終わり。とはなりません。また立ち上がることをここに記しておきたいと思います。
どうぞ、悦楽派をよろしくお願い申し上げます。